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Alibaba(アリババ)の2019年度第二四半期決算と今後の見通し(①ECビジネスの考察)

あつまろ
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アリババ2019年度第二四半期
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あつまろ。個人投資家。長期的な視点で資産運用に取り組んでいます。 1)株式投資を中心とした資産運用 2)生活とお金

あつまろです。

アリババの株価は軟調な状態で推移しており、市場からの評価はかんばしくありません。また、2018年11月2日に第二四半期決算が発表されましたが、売上高は市場予測よりも下回ったようです。ジャックマー会長の退任予定や米中貿易摩擦とネガティブなニュースが続いており、株価も年初来から下げ方向です。しかしながらアリババはEC事業やペイメントを中心に成長する中国経済の恩恵をうける代表的な企業だと思っています。最新の決算状況をみながら今後の見通しを考えていきます。

アリババ株価チャート

 

売上と成長率

まずはこの3ケ月の四半期売上をみます。

アリババの売上

(決算資料よリ筆者作成)

四半期(3ケ月)の売上だけで1.4兆円規模です。楽天グループの連結決算が’17年度で1兆円に届いていません。四半期で楽天1年分を超える売上を稼いでいるのですから、やっぱりすごい規模です。あと、四半期でみると第三四半期が毎年突き出ています。これは11月11日の中国「独身の日」としての一大イベントがあるからです。今年度の伸びにも注目です。次に売上の成長率(増収率)をみていきましょう。

(決算資料より筆者作成)

(決算資料より筆者作成)

この四半期は増収率がすこし落ちましたが、それでも50%台を超えています。ここの増収率の低下が懸案されているんでしょうが、四半期で1兆円を超える売上で、この成長を維持しているのはスゴイのひとこと。スタートアップで年率40%を超えてくるかはひとつの目安としてみていますが、この規模でこの成長率を維持し続けているのは驚異的です。

セグメント別収益

売上を構成するセグメントをみていきます。

アリババのセグメント収益

(決算資料より筆者作成)

コアコマース(商業エリア)が85%を占めます。やはりECビジネスがアリババの根幹。タオバオとTモールという従来からの2つのECビジネスがその中核でしょう。クラウドやデジタルメディア・エンターテイメント事業も伸びていますが、まだまだECビジネスが主軸です。


ECビジネスのポテンシャル

ここでアリババの主戦場である中国ECのポテンシャルをみていきましょう。2017年の中国ECマーケットは11,153億米ドル(125兆円)と言われています。流通総額のうちリアル店舗からネット(EC)へのシフトが進んでおり、どんどんEC化率は上がるはずです。ゴールドマン・サックスは、中国小売市場全体でのEC化率を予測しています。2016年はEC化比率は16%だったのが、2020年には25%まで進むと同社は発表しています。これだけで70兆円くらいのインパクトがあります。桁違いの数字です。そして同国のECトップ企業であるアリババは大きな恩恵をうけるというわけです。

次に中国自体の成長です。中国の国内総生産は約14兆ドル(約1580兆円)から2030年には約26兆ドル(約2940兆円)と約2倍になるとHSBCホールディングスが予測をしています。先程のEC化率上昇とは別に中国市場全体が伸びているのです。

また、アリババはテイクレート(取扱高に対して企業がどれだけの売上をとるかの割合)が米国や日本のECビジネスに比べて低いと言われていますが、ここからさらに上昇の余地があります。特に現在注目しているのはサイト内広告です。同社が売上の内訳(Total Revenue Breadown)として公開している項目に「Customer management(顧客管理サービス)」があります。これはアリババのプラットフォーム上に出稿できる広告が含まれており、同項目がこの四半期では売上全体の39%を占めています(YoYで25%の成長)。全世界的にもデジタル広告市場が広がっており、各社がしのぎを削っています。オークション形式で広告をとっていけば、広告料金自体が上がる可能性があります。

以上をまとめると、中国市場自体というマクロ成長。ここにEC化率が向上していく時代の流れ、さらに自社の努力としてテイクレートの上昇という3つの成長ドライバがあることだと見ています。

「中国市場の成長 X 流通総額におけるEC化率の上昇 X テイクレート上昇」



東南アジア市場攻略

アリババで私が注目しているのが東南アジアへの進出。14億人の中国以外にも6億人の東南アジアでビジネスを展開して20億人マーケットをターゲットにしていると思います。既に傘下アント社のアリペイ決済で東南アジア10カ国、さらにはインドなど南アジアにも進出を果たしています。おもしろいのが東南アジアのEコマース企業LAZADA(ラザダ)の買収。同社は「東南アジア版アマゾン」と呼ばれ、買収当時にインドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピンの6か国で事業を展開している。アリババがLAZADAを足がかりにどう東南アジアに向き合っていくのかに注目しています。

中国「独身の日」はひとつの指標

17年の独身の日イベントの売上高は253億ドル(約2兆8336億円)だそうです。イメージがわかないレベルの規模ですね。ちなみに今年からLAZADAの「ラザダドットコム(LAZADA.com)」が初めて独身の日に参加し、オーストラリア、カナダ、米国、香港、台湾、シンガポールまで拡大されるそうです。

昨年度の前夜祭ではカウントダウンイベントとして、女優のニコール・キッドマン(Nicole Kidman)、歌手で俳優のクリス・ウー(Kris Wu)、歌手やデザイナーとしても活躍する音楽プロデューサーのファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)、プロテニスプレーヤーのマリア・シャラポワ(Maria Sharapova)、アートパフォーマンスを披露するブルーマングループ(Blue Man Group)らが出演したとのこと。

あと数年もすればイベント好きの日本でも「独身の日」がメジャーイベント化されそうな気がします。ハロウィーンもすごい勢いで普及しましたし。何にせよ2018年の独身の日でどれだけの売上を記録するのかが注目です。

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